エリオット波動はテクニカル分析の中枢を占める理論と言われています。エリオット波動で波の性質を理解できていなければ、相場の予測は不可能と表現されているほど重要な分析方法です。
エリオット波動を意識することで利益確約や損切のポイントが明確になります。
トレンド相場の波には性能があります。その波の性質を表した分析方法がエリオット波動です。
波がどういうサイクルを作って形成されるかを知ることができるので、FXのような市場を予測する取引ではとても有効な分析方法と言えます。
ここではエリオット波動の原則からFXでの活用方法について解説していきます。
この記事にかいてあること
エリオット波動の基本原則とサイクルの形成
FXでのエリオット波動の活用方法
この記事を読むと
エリオット波動の基本原則がわかりトレンドの性質がわかる
FXの応用がわかり、エントリーポイントが明確にわかる
エリオット波動の原則とは!?
エリオット波動は1930年にラルフ・ネルソンエリオットが提唱した相場分析です。
エリオット波動を簡単に表すと「相場の値動きには一定のサイクルがあり、リズムがある」という理論です。この理論は世界中の多くの投資家に広く浸透している分析方法となります。
もともとは株式相場に提唱された分析方法でありました。しかしエリオット波動の理論は簡単な相場の値動きだけでなく、1000年単位の歴史の周期を視野に入れた壮大な理論となっていることから、株式相場だけでなく為替相場にも用いられています。
過去にエリオット波動は1929年の世界大恐慌や、1987年のブラックマンデーを的中させた経緯があり多くのトレーダーが意識するようになったのです。
上昇5波下降3波
エリオット波動には上昇5波、下降3波という理論があります。
上昇の相場は上げ→下げ→上げ→下げ→上げといったように上昇下落を繰り返して形成されるという考え方です。
上昇は5つの上昇下降を繰り返し、下降の時は3つの波を作って下落へと転じます。合計で8つの波を形成することをエリオット波動といいます。
エリオット波動の3原則
エリオット波動には3つの原則があります。
①第1、第3、第5波の中で第3波が一番短くなることはない
②第2波は第1波の始値を下回ることはない
③第4波の下落が第1波の上昇地点を下回ることがない
という原則です。
これは上昇5波のサイクルを形成する条件です。チャートを確認してこの条件を満たしていた時にその後の下降3波を予想することができます。
FXのエリオット波動活用方法
エリオット波動を使ってFXで相場分析をするには上昇時に仮説を立てる必要があります。
例えば第3波まで条件を満たした形を作ったら、次の5波サイクルはどこで形成されるかを意識するということです。
エリオット波動は最終的な形を作った後に結果論として語られることが多いので、常に変動するFX取引を行うには上昇トレンドの形成し始めた段階で予想しなければなりません。
そのためには波の性質を理解した上で波の切り替わりを狙ったエントリーをすることが重要となります。
6つのチャートパターンを意識する
上昇5波下降3波の理論は比較的長い時間でのトレンドで見る必要があります。
しかしFXでチャート分析を行う上では細かい波を意識する必要があります。
エリオット波動には6つの小さなチャートパターンがあるので、理解することでより細かなトレンドの分析をすることができます。
このように6つの小さな波動で形成されています。
6つの波動の特徴は以下の通りです。
I波動 | 単純な上昇と下落のパターン。 |
Y波動 | 上下を繰り返し、落差が徐々に広がるパターン トレンド発生時の小休憩している時に発生しやすい |
N波動 | I波動とV波動が合わさりN字になるパターン。 レジスタンス、サポートライン付近を推移する傾向がある。 |
S波動 | 急激な上昇、下落を繰り返しパターン レジスタンス、サポートラインをブレイクした後に発生する傾向がある。 |
P波動 | 上下動を繰り返し落差が徐々に狭まるパターン。 その後まだ上昇が続く可能性がある。 |
V波動 | 大きな上昇パターン。 |
この波動は大きな上昇5波と下降3波の中にある小さな波です。この6つの小さな波の性質を意識すると、エリオット波動が形成されているかを確認することができます。
そのためチャート分析をするときは大まかな波の確認と、小さな6つの波動の確認をする必要があります。
波の切り替わりを狙う
エリオット波動の分析でポジションを持つには波の切り替わりを意識して取引することが重要となります。
(2020年2月3日 EUR/JPY 1時間足)
2月3日のユーロ/円のチャートです。
この日はエリオット波動の原則通り上昇トレンドを形成しました。
3つの波をつけて上昇していることがわかります。手法は様々ですが3つの波を形成させた第5波の反発を狙うトレーダーが多くいます。
第1波や第3波の形成だけでは根拠が薄く、相場のだましあいにあいトレンドが終了してしまう可能性があるので注意が必要です。
まとめ
エリオット波動の分析は一つの根拠として捉えることが重要です。常にだましが発生している為替の相場で一つだけの根拠で勝負を仕掛けることはとても危険な状態といえます。
とはいえエリオットの波動を意識したトレーダーは世界中にいるのも事実です。
しっかりとした形を形成されていると判断できたら、5波の反発を狙ったり、3波の強いトレンドを意識して順張りに切り替えるなど工夫をすることで利益を上げることも十分可能となっています。