フィボナッチリトレースメントを使って、戻し売りや押し目買いを狙ってトレードをしている人は多いのではないでしょうか。

フィボナッチリトレースメントには23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、75.4%、100%の数字が表示されますが、一般的に38.2%や61.8%が反発の目安として使われることが多いかと思います。

しかし実際に反発しているのは38.2%や61.8%が多いのでしょうか?

そこで、今回はチャートの反発の変動幅をフィボナッチリトレースメントを使って検証していきたいと思います。

フィボナッチリトレースメントとは

フィボナッチリトレースメントは、イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチによるフィボナッチ数列を利用することにより、反発地点の変動幅を測定するものを指し、テクニカル分析の1つです。

この反発地点は23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、75.4%、100%の数字が目安にされます。

具体的に見てみましょう。

このチャートは豪ドル/円の1分足のローソク足です。

上昇トレンドの途中で調整のための下げが発生しています。

この下げ止まりの位置が分かれば、押し目買いで利益を伸ばすことができます。

今回のチャートの場合、38.2%~50.0%の間で反発していることがわかります。

ただ、毎回38.2%付近で反発するわけでなく、61.8%で反発することもあれば、76.4%で反応することもあります。

フィボナッチリトレースメント検証の前提条件

それでは早速フィボナッチリトレースメント検証の前提条件を説明していきます。

前提条件は次の通りです。

通貨ペア豪ドル/円
ローソク足5分足
使用するテクニカル指標フィボナッチリトレースメント
検証期間2020.4.1~2020.7.15
計測回数100回
検証ツールThink Trader

また、トレンドが発生している状況において反発したタイミングが23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、75.4%、100%のどこで反発しているのかをカウントしていきます。

具体的には次のようにカウントしてきます。

フィボナッチリトレースメントの検証結果

検証結果は次の通りです。

フィボナッチリトレースメント反発した数
23.6%3
38.2%33
50.0%13
61.8%23
76.4%22
100.0%6
合計100

結果を見ていただくとわかる通り、38.2%で反発していることが多いと思います。

逆に、23.6%と100.0%で反発した回数が非常に少ないですね。

ただ、今回の検証は100回程度だったので、検証回数が増えれば多少の割合の変化はあるかもしれないことに注意が必要です。

フィボナッチリトレースメントを使うときの注意点

最後にフィボナッチリトレースメントを使うときの注意点について解説していきたいと思います。

フィボナッチリトレースメントを使うときの注意点は次の2点です。

注意
フィボナッチは絶対的な指標ではない
ほかのテクニカル指標と組み合わせる


それぞれについて詳しく説明していきます。

①フィボナッチは絶対的な指標ではない

フィボナッチリトレースメントは押し目買いや戻り売りの目安になりますが、絶対的な指標ではないことに注意する必要があります。

今回の検証結果によると、トレンド相場において一旦調整する場合、38.2%~76.4%の間で反発していることが多かったですが、フィボナッチリトレースメントのどの数値でも反発しなかった場合のチャートは検証対象外にしています。

つまり、フィボナッチリトレースメントが効かないことも十分にあるのです。

②ほかのテクニカル指標と組み合わせる

2つ目の注意点は、ほかのテクニカル指標と組み合わせて使うことで優位性の高い取引をするができる可能性があるということです。

フィボナッチリトレースメントは絶対的な指標ではありませんが、ほかのテクニカル指標と組み合わせることで、より強い根拠を持ってトレードすることができます。

具体例を見てみましょう。

上昇トレンドのチャートですが、何度か調整による下げが発生しています。

この下げを狙って押し目買いを狙っていく場合に、フィボナッチリトレースメントの61.8%のラインとトレンドが重なっているのがわかるかと思います。

フィボナッチリトレースメントとトレンドラインが重なっていたら、根拠をもって買いエントリーをしやすいかと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はフィボナッチリトレースメントのどの数値で反発していることが多いのかを調査してみました。

このような検証は、自分でもすることができるので、気になる手法があれば、面倒かもしれませんが、過去のチャートを使って検証してみるとことをオススメします。

また、エントリーポイントや利益確定のタイミングは、絶対的な法則はないのであなた自身で検証して最適なタイミングを探していく必要があることにご注意ください。