「ドルコスト平均法」は投資するときに有効って本当なのか?
ドル平均法がどういう概念なのかわからないことは、FXを続けていくうえで損であり、リスクでもあります。
この記事ではドルコスト平均法がどういう概念なのか、メリットやデメリット、どのように計算するのか、どんな人に向いているかを詳しくご紹介します。
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法は値動きがある金融商品に対して用いる投資方法で、投資商品を定期的に言って額で購入する方法を言います。
値動きに対するリスクを軽減しつつ効果的に投資をしてリターンを得るためには欠かせません。
当然ながらメリットとデメリットが存在するため、自分の状況と比べてよく検討することが大切です。
ドルコスト平均法法は定期的に一定額で購入する手法
ドルコスト平均法の一番大きな特徴は、購入額を一定にして定期的に買うということです。
つまり、商品の価格が高い時には少なく買い、商品の価格が安い時には多く買うという仕組みが勝手に行われることになります。
そのため平均購入価格が長期的に低下します。
ドルコスト平均法の効果とメリット・デメリット
ドルコスト平均法の一番の効果は、高値掴みのリスクを避けることができることです。一定額を定期的に購入するため、価格が高いときに多く投資してしまい利益が減ってしまうことを避けることができます。
メリット
初心者でも気軽に始められる。一定額を定期的に購入するので値動きを気にする必要がなく、心理的負担を減らしながらも取り組むことができる。
デメリット
安値で大量に(一定額以上)買うことができない。
ドルコスト平均法はリスクを軽減できる方法ではありますが、大きな経済危機などではどうしても影響を被ってしまいます。リスクをゼロにできるわけではないことを知っておくことが肝要です。
ドルコスト平均法の計算方法
ドルコスト平均法の計算方法は複雑なものではありません。合計と平均の計算ができれば問題ありません。購入額と購入量に注目して計算することが重要です。
ここではドルコスト平均法の計算方法をご紹介します。
この表は架空の年の半年分のドル円相場を想定したものです。
半年間のドル円相場
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 平均 | |
1ドル | 100 | 105 | 95 | 90 | 85 | 110 | 97.5 |
以上のように半年間で値動きした場合、①購入額を一定にした場合(ドルコスト平均法)と②購入量を一定にしたパターンにおけるシミュレーション結果は次の通りです。
①購入額を一定にした場合(ドルコスト平均法)
半年間で620ドルを買うことができ、平均の購入金額は97円でした。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 合計 | 平均 |
購入額(円) | 10,000 | 10,000 | 9,500 | 9,000 | 8,500 | 11,000 | 58,500 | 98 |
購入量(ドル) | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 600 | 600 | 98 |
②購入量を一定にした場合
ドルコスト平均法を用いた場合と比べて、1ドルあたりの購入額が高くなり、半年間で買えるドルの量も少なくなっています。これに対して比較としてドルの購入量を一定にした場合が以下の表です。
購入量を一定にして投資するよりも、購入額を一定にして投資するドルコスト平均法のほうが優位性があるといえます。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 合計 | 平均 |
購入額(円) | 10,000 | 10,000 | 10,000 | 10,000 | 10,000 | 10,000 | 60,000 | 97 |
購入量(ドル) | 100 | 95 | 105 | 111 | 118 | 91 | 620 | 97 |
ドルコスト平均法をFXで使う
ドルコスト平均法をFXで使う際には、向いている人と向いていない人に分けられます。
これはドルコスト平均法のメリットとデメリットが深く関係していて、人によっては損する可能性もあります。
ドルコスト平均法が向いている人とケース
まず向いている人は相場の値動きでその都度心配したくない人です。ドルコスト平均法は定期的に一定額を投資するスタイルなので、深く考えることなく機械的に投資します。
今の相場が安値なのか、高値なのかをはんだするのが難しいという人にも向いているといえるでしょう。
また、資金を短期で豊富に用意できない人や、中長期的に考えて利益を出したい場合もむいています。
ドルコスト平均法が向いていない人とケース
一度にある程度大きな元手を用意できる人は向いていない可能背があります。
たとえば、ドルコスト平均法だと大きな経済的な事件の後、値が下がったタイミングで大きく買いに出ることができません。
本来であれば、このような時には大きな資金を使ってまとめて安値で投資し、利益を最大化することもできます。
この時にまとめて投下できる資金がある人、その判断ができる人は向いていないといえるでしょう。
また、短期間で大きな利益を上げたいケースも向いていません。ドルコスト平均法はリスクを抑えることができる分、中長期的な目線で利益が出ることを考えなければなりません。
ドルコスト平均法をFXで使うときの注意点
ドルコスト平均法をFXで用いるとなると、その長所が端緒に代わってしまうことがあります。どのようなことにき気を付けてドルコスト平均法を用いればいいのかをまとめました。
ハイレバレッジに注意
FXは元手にレバレッジをかけて、元手よりも大きな資金で投資することができますが、ドルコスト平均法を使う場合はレバレッジを低くするべきです。
相場の急な変動により投資対象の通貨が大きく下落してしまった場合、レバレッジを高くしているとロスカットされてしまいドルコスト平均法の利点を無駄にしてしまいます。
レンジ相場と下落トレンドに注意
同じような相場で値動きをするレンジ相場が続く場合も、ドルコスト平均法の強みがなくなってしまい、購入額の平均が下がりにくくなっています。
相場が下がり続ける下降トレンドの場合も、ドルコスト平均法を持ちていると含み損だけ増えていってしまいます。どこかで上昇トレンドになることで購入額の平均が低くなるため、相場の変動によっては用いないほうがよいでしょう。
例えば、トルコリラ円は近年下降トレンドが続いているため、ドルコスト平均法には不向きといえます。
スワップポイントに注意
通貨の政策金利差で付与されるスワップポイントにも注意が必要です。政策金利が低い日本円で政策金利の高い通貨を買う(例えば、ドル円の買いポジションを保有する)場合はスワップポイントを得られますが、逆にしてしまう(例えば、ドル円の売りポジションを保有してしまう)とスワップポイントを払うことになり、ドルコスト平均法を用いているとそれを続けることになってしまいます。
投資対象の通貨のスワップポイントがプラスになっているか確認が必要です。
ドルコスト平均法のまとめ
ドルコスト平均法は投資対象を定期的に一定額を購入することで、中長期的に利益を上げるスタイルの投資方法です。
初心者でも始めやすいなどのメリットが存在しますが、デメリットとして安値での大量投資ができないなどがあります。
向いている人や向いていない人がいますので、ご自身の状況に併せて導入するか検討するべきでしょう。