相場分析にはフィボナッチ・リトレースメントという分析方法があります。フィボナッチは多くのFXトレーダーに意識されている相場分析方法となっています。フィボナッチは数学的に算出される比率であることから一見難しそうなイメージを持つ人も多くいます。
しかし、フィボナッチの原則を理解することでFX初心者デモトレードに活用できます。
この記事に書いてあること
①フィボナッチ数列の基礎知識
②フィボナッチ。リトレースメントを用いたFXトレードへの活用方法
この記事を読むと
①フィボナッチの基本原則や基礎知識が身につく
②フィボナッチ・リトレースメントを用いたFX取引手法がわかり有効な相場分析ができるようになる。
フィボナッチとは？
フィボナッチとはイタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチが提唱したフィボナッチ数列のことを言います。「1,1,2,3,5,8,13,21,34,55・・・」といったように繰り返し使われる数列のことを指します。
・連続する2つの数字を足すと次の数字と一致する
1+1=2 2+3=5 8+13=21 21+34=55といったように隣り合った数字を足すと次の値と一致するのです。
・数字を1つ後の数字で割ると0.618、2つ後の数字で割ると0.382、3つ後の数字で割ると0.236になる
この0.618、0.382、0.236の倍率をフィボナッチ比率といいます。
人間の心理を表した黄金比率
フィボナッチは人間の心理を表した黄金比率と呼ばれています。ヒマワリの種の配列やピラミッド、モナリザのような歴史的美術作品にもあてはまる比率となります。これは人間が無意識に「美しく心地がいい」と感じる数字で成り立っているからと言われています。
これは為替相場の値動きにも当てはめることができるのです。
値動きは大多数の投資家が注目するポイントであり、多くの投資家が同じような心理状態になることでフィボナッチの比率が機能するのです。
FXではフィボナッチ・リトレースメントが有効
FXで広く使用される技術分析ツールの一つです。これは、価格の動きが特定の割合で元の動きに対して反転する可能性があることを示唆するものです。具体的には、フィボナッチ数列に基づいた水平線を使用して、価格のサポートおよびレジスタンスレベルを予測します。
フィボナッチリトレースメントの主なレベルは以下の通りです
- 23.6%
- 38.2%
- 50%
- 61.8%
- 78.6%
自動で引かれたラインはその後サポートラインやレジスタンスラインなどの反転の目安として機能します。
フィボナッチ・リトレースメントと使ったFX取引手法
フィボナッチ・リトレースメントをチャートに表示させることで、トレンド相場の押し目や戻りなどの反転を分析することができます。
相場は一定方向に進むことはありません。必ず押し目や戻りといった反転を作る習性があります。あらかじめフィボナッチ・リトレースメントを引いておくことで相場が反転するポイントを予測することができます。FXでトレンド相場の取引をする時にはより有効なテクニカル分析となるのです。
強いトレンドでは23.6％と38.2％が押し目となる
相場で強いトレンドが発生した時は23.6％と38.2％が押し目となる可能性が高いです。
上昇トレンド目線になると50％の地点まで反転することがなく、浅い押し目の23.6％、38.2％の地点がサポートラインとなり反転する傾向にあります。
一時的な反転をした後に上昇トレンドに乗りたい投資家達は早い段階で押し目買いを入れるので再度強い上昇へと転じます。浅い反発を確認できたらその後の強い上昇を予測して買いを入れることができます。
フィボナッチ・リトレースメントで注意しなければならないこと
1.フィボナッチだけを信用して取引を行うとだましに会いやすい
フィボナッチのラインだけではエントリーの根拠としては薄いです。ラインで全く反発をせず高値や安値を更新してしまう可能性があります。大きな時間軸から押し目や戻り目として、反転する局面であるかを分析してから取り入れることが重要となります。
2.正確にラインを引く必要はない
フィボナッチ・リトレースメントはFXでテクニカル分析を行う上での目安として考えることが重要です。ラインは黄金比率の価格がどこに当たるのかを見極めるための目安になります。ライン上で正確に反発することはまれなケースになるので神経質になってラインを正確に引く必要はありません。
3.日足や4時間足などの長い時間足のほうが意識しやすい
大多数のトレーダーは1分足や5分などの短い時間足に比べて、日足や4時間足など長い時間足に注目しています。長い時間足のほうがより多くの投資家の注目を集め、フィボナッチも意識されるため根拠が増します。
例外として指標発表後は1分でも有効になります。要人発言や経済指標は時間が決まっているため多くのトレーダーがその時間の動きに注目しています。多くのトレーダーが同じチャートをみて判断するため大きなイベント後は1分間足でもフィボナッチが意識される傾向にあります。
まとめ
フィボナッチには投資家の心理状態が表れます。投資家が黄金比に従って無意識に取引しているということを意識することが重要になります。チャートは自然の摂理が働いているためフィボナッチが機能するという仕組みです。
トレンド発生時にラインを引くことで、より有効なテクニカル分析ができるようになります。しかしフィボナッチだけ頼らずあくまでも1つの根拠としてとらえることが重要です。初心者であればトレンド発生時に何度もラインを引いてみて、その後の値動きを観察することで反転のパターンを理解することができます。場数をこなすことで正確なテクニカル分析を行うことが可能です。
